6年制薬学生育成のための実務実習を実施し、社員と共に伝統薬の百草・百草丸について学びました。
オウバクは中国の神農本草経に収載されている重要な漢薬の一つですが、日本では漢方が伝来するはるか以前の縄文時代から薬として用いられていたことが明らかになっています。縄文人の居住跡からクリやカシの実と一緒に壷の中に保存されたキハダの樹皮が発掘され、その状態から考古学上確認された日本最古の生薬といわれています。
キハダは梅雨が成長期で水揚げが多くなり皮がはがれやすくなるため6月の後半から7月の中旬ごろが皮むきの適期でこの時期に採取が行なわれます。
今回の研修では、まず、本社屋外に生えているキハダの太い枝を切り落とし作業を行いました。
次に、キハダの外皮に筋目を入れて外皮の内側の内皮と一緒に幹から剥ぎ取り、外皮をむいて内皮を取り出しました。この内皮の鮮黄色の美しさに一同思わず歓声をあげました。 動画は皮むきの様子を写したものです。道具がマイナス・ドライバーだったので、皮むきに少し手間取っていますが、道具がよければもっとスムーズに皮むきができます。
現在、国内産のオウバクは大変希少なものとなり、中国や朝鮮からの輸入がほとんどです。キハダの成長には20年以上の歳月がかかるため、今年度から地元の山林での植樹をスタートさせます。さらに、オウバクの幅広い効能についての研究をすすめ生薬としての可能性を追求していきます。